胡蝶蘭にとって冬は、もっとも過酷な季節です。寒さに弱い胡蝶蘭は、10℃以下の環境でダメージを受けやすく、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。しかし、きちんとした対策を取れば、自宅やオフィスでも問題なく冬越しさせることが可能です。
今回は11月〜3月にかけての胡蝶蘭の冬の管理方法を、気温・置き場所・水やり・霧吹き・光の確保など多角的に解説します。特別な温室がなくてもできる、実践的なポイントを押さえましょう。
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胡蝶蘭は寒さにとても弱い植物
原産地の東南アジアでは、1年中暖かく温度変化も少ないため、胡蝶蘭は寒さに対する耐性が低い植物です。
日本の冬は朝晩の冷え込みが激しく、室温が10℃を下回ることも多いため注意が必要です。特に、外気が直接当たる窓際や玄関、廊下は避けるようにしましょう。
冬の最適な置き場所
冬の胡蝶蘭は、寒暖差と直風を避けることが最重要です。
● 置き場所のポイント
- 室温が最低でも12℃以上を保てる部屋に置く
- エアコンの風が直接当たらない場所に設置する
- 日中は南向きの明るい窓辺に置き、日が沈んだら部屋の中央に移動
- 夜間の冷気は窓から伝わりやすいため、遮光カーテンや断熱シートで保温
冬の水やりは控えめが基本
冬は胡蝶蘭の活動が緩慢になるため、水分をほとんど必要としません。むしろ水を与えすぎると、吸収できずに根腐れやカビの原因になります。
● 水やりの目安
- 最低気温が15℃を下回ったら、水やりは月1~2回に減らす
- ミズゴケが完全に乾き、指を入れても湿り気を感じないときにのみ水を与える
- 水やりは午前中の暖かい時間帯に実施し、夜までに乾くようにする
冬の霧吹きは控えめに
乾燥が気になる冬は、霧吹きで加湿したくなりますが、過度な湿気は病気のもとになります。特に葉が濡れたままになると、カビや病害虫が発生しやすくなります。
- 霧吹きを行う場合は、空気中に軽くスプレーする程度
- 葉や花、株本体に水滴が残らないように注意
- 加湿器を活用する場合も、風通しの良い空間で間接的に湿度を保つこと
光合成と日照確保
胡蝶蘭は冬でも光合成を必要とする植物です。日照不足は、株の元気を奪い、次の花芽形成にも影響を与えます。
- 日中は日差しのある場所に3〜4時間以上置く
- レースカーテン越しの柔らかい光で十分(直射日光は避ける)
- 天気が悪く日照不足が続くときは、植物用のLEDライトで補光もおすすめ
温度と環境管理の工夫
暖房器具が使えない場所で胡蝶蘭を育てる場合は、ダンボールや断熱シートを使った囲いが役立ちます。
- 胡蝶蘭を箱や棚で囲い、保温性を高める
- 鉢の下に断熱マットを敷くだけでも冷えのダメージ軽減に効果あり
- ただし密閉はせず、空気の流れを確保することが重要
まとめ
胡蝶蘭の冬越しは、温度・湿度・日照の3つを意識した管理がカギになります。特別な設備がなくても、置き場所とちょっとした工夫で、元気に冬を乗り越えることは十分可能です。
特に大切なのは、「水を控えめにすること」「冷気から守ること」「適度な光を与えること」。これらを押さえれば、春の再生や再開花の準備が整います。
次回は「⑥ 胡蝶蘭に最適な肥料の与え方とタイミング」をお届けします。株の状態に合わせた効果的な施肥のコツをわかりやすくご紹介します。
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