胡蝶蘭を美しく、そして長く楽しむためには、適切なタイミングでの肥料の与え方が非常に重要です。とはいえ、「どの肥料を、いつ、どれくらい与えればよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、胡蝶蘭に合った肥料の種類・与える時期・方法や注意点について、初心者にもわかりやすく解説します。肥料の基本を押さえて、健康的で花つきの良い胡蝶蘭を育てましょう。
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肥料は「栄養補助」。与えすぎには注意!
胡蝶蘭は、もともと熱帯の樹木に着生して育つ植物で、少ない栄養でも生きられる「省エネ体質」です。したがって、肥料は多ければ多いほど良いというわけではありません。
- 株が弱っている時や冬場の休眠期に肥料を与えると、根を傷めて逆効果になります。
- 元気な葉や根が育っている期間にのみ、適量の施肥を行うことが基本です。
肥料の与え方【基本のルール】
胡蝶蘭の肥料には、「液体肥料」と「固形肥料」の2タイプがありますが、一般的におすすめなのは、希釈して使える液体肥料です。必要な栄養を無理なく吸収でき、管理もしやすいためです。
● 液体肥料の使い方
- 規定の濃度より2~3倍に薄めた液体肥料を使います。
- 根に負担をかけないように、水やりの代わりに与えるのは月2〜3回まで。
- 水やりと肥料は別の日に行うのがおすすめです。
● 固形肥料の使い方(上級者向け)
- ゆっくりと溶け出す「緩効性肥料」を鉢の縁に少量置く。
- ミズゴケの上に直接触れないように置き、月に1度交換が目安。
- 根に直接当たらないよう、必ず外側に配置してください。
肥料を与える「時期」がとても大事
胡蝶蘭は1年を通して同じように成長するわけではありません。そのため、肥料を与える時期はしっかり見極める必要があります。
✔ 肥料を与える時期(おすすめ)
- 春(3月下旬〜6月)と秋(9月〜10月)がベストシーズン
- 株が元気なときのみ施肥するのが基本です
- 冬(11月〜2月)と真夏(7月〜8月)は避けるか、極薄にして1回程度
✔ 肥料を与えてはいけない時期
- 花が満開の時期(開花中)は施肥不要
- 根が腐っていたり、葉が弱っている場合も与えない
胡蝶蘭に向いている肥料の成分
肥料には「N(チッソ)・P(リン酸)・K(カリ)」の3要素が含まれます。
- N(チッソ):葉や茎の成長を助ける
- P(リン酸):花芽や花の成長に関与
- K(カリ):根の成長・全体のバランスを整える
胡蝶蘭には、「6-6-6」や「10-10-10」などのバランス型肥料が最適です。特に開花前や葉の成長期に与えることで、健康で美しい株に育てることができます。
よくある失敗と対策
❌ 濃すぎる肥料を使ってしまった
→ 根が焼けてダメージを受ける原因に。必ず規定よりも薄めるのが基本です。
❌ 冬や弱っている時に与えた
→ 株の負担となり、かえって状態が悪化することも。無理に肥料を与えない勇気も大切です。
❌ 肥料を続けて与えすぎた
→ ミズゴケや培地が塩分過多になり、根の機能が低下します。定期的な水のみの管理も忘れずに。
まとめ
胡蝶蘭にとって肥料は、適切なタイミングで適切な量を与えることで、健康な株と美しい花を育てるサポートになります。やりすぎず、足りなさすぎず、植物の状態をよく観察しながら続けることが大切です。
特に春と秋の成長期に、薄めた液体肥料を月2回ほど与えるのが基本。あくまで肥料は「補助」だと考え、まずは水と光と温度の環境を整えてあげましょう。
次回は「⑦ 胡蝶蘭の簡易植え替え(前編)実践方法」についてお届けします。初心者でも安心してできる手順をご紹介しますのでお楽しみに!
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