胡蝶蘭にとって、日本の夏は試練の季節。高温多湿の環境は熱帯原産の胡蝶蘭にとっても過酷で、間違った管理をしてしまうと「葉が黄変する」「根が腐る」などのダメージを受けることがあります。
この記事では、6月初旬から9月下旬までの夏の胡蝶蘭の管理方法について、気温・湿度・置き場所・水やり・肥料などの観点から丁寧に解説します。これを読めば、猛暑を乗り越えて元気な株を保つためのポイントがしっかりわかります。
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胡蝶蘭にとっての「夏のリスク」とは?
夏は日差しが強く、室内でも温度が上がりやすくなります。また梅雨から初夏にかけては湿度も高くなるため、蒸れや根腐れ、葉焼けのリスクが一気に増加します。
胡蝶蘭は「高温多湿」に適応した植物ではありますが、それはあくまで「風通しがよく、木陰のような環境」が前提。直射日光や締め切った室内での高湿度は苦手です。
夏の置き場所と温度管理
胡蝶蘭を夏に元気に育てるためには、置き場所と温度対策がカギになります。
● 置き場所のポイント
- 室内の明るい日陰、またはレースカーテン越しのやわらかい光が当たる場所
- 窓際は午前中のみ日が入る場所がベスト。午後の日差しは強すぎるため注意
- 風通しが悪い場合は扇風機や換気を活用して風を循環させる
● 室温管理
- 胡蝶蘭にとっての理想の温度は25〜30℃前後
- 30℃を超える日は、エアコンの冷房(弱風)を活用
- 冷房の風が直接葉に当たらないように配置することも重要
水やりは「少なく・的確に」が鉄則
夏場は気温が高いため水の蒸発も早くなりますが、むやみに水やりを増やすのは逆効果です。胡蝶蘭は根腐れに弱いため、乾き気味の管理が原則です。
● 夏の水やりの注意点
- 水やりは朝のうちに行う(夕方以降は蒸れやすくなる)
- ミズゴケの表面が乾いて軽くなってから与える(目安は週1~2回)
- 受け皿に水が溜まらないよう注意し、必ず余分な水は捨てる
霧吹きで湿度調整をサポート
室内が乾燥しすぎると、葉がしおれることがあります。そんなときは、霧吹きを使って空中湿度を一時的に補うことができます。
- 花や葉に直接かけず、周囲の空間に霧を飛ばすように使う
- 霧吹きは風通しのある朝〜午前中に行う
- 葉が濡れたまま高温多湿の空間に放置しない(カビや病気の原因に)
肥料の与え方と注意点
夏は株に負担がかかりやすい時期。肥料の与えすぎはかえって逆効果になることがあります。
- 成長が止まっているような株には肥料を与えない
- 肥料を与える場合は、通常よりも薄めた液体肥料を月1〜2回程度
- 植物の様子を見ながら、元気な株だけに少量施肥
葉焼けと病害虫にも注意
日差しが強くなり、窓越しでも葉焼けする可能性があります。特にガラス越しの日光は、レンズ効果で局所的に高温になりやすいため注意が必要です。
- 葉が黄色くなってきたら置き場所を再チェック
- 害虫(カイガラムシ・ハダニなど)も発生しやすいため、週1回は葉裏をチェック
- 心配な場合は植物用の殺虫スプレー(安全なもの)を活用
まとめ
胡蝶蘭にとって夏は、気温・湿度・日差しとの闘いです。しかし、ポイントを押さえて管理すれば、葉を守り、秋以降の再成長にもつなげることができます。
水は少なめ、光は柔らかく、風通しを確保。この3点を意識して、真夏の胡蝶蘭を元気に乗り切りましょう。
次回は「秋の管理編」。夏の疲れを癒やし、冬への準備を整える大切な時期のケアについて詳しくお届けします。
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