【法人胡蝶蘭の教科書】失礼にならない贈答の「現場基準」を公開
※総務・秘書・事務担当者に実務基準で解説(個人ギフトにも応用可能)
胡蝶蘭は法人ギフトとして贈られることも多い植物ですが、管理の基準を知っておけば長く健やかな状態を保てます。この記事では、初めて管理を任された方でも迷わない判断基準を解説します。
→ 法人贈答の全体像を先に知りたい方は 法人胡蝶蘭贈答 完全ガイドをご覧ください。
この記事の結論(冬管理の失敗はこの考え方だけで激減します)
- 冬の管理は「○月」ではなく「夜の最低温度」で判断する(まず自宅の最低温度を知る)
- 水やりは「回数」ではなく「植え込み材が乾いてから、さらに待つ」を基準にする
- 冬は「育てる季節」ではなく「株を守る季節」と割り切る(無理に成長させない)
この3つに切り替えるだけで、根腐れ・低温障害・花落ちの大半は防げます。
迷ったらここに戻る:症状別に「原因の切り分け → 最初の対応」を一覧で確認できます。
▶ 胡蝶蘭の病害虫・トラブル完全ガイド(症状別まとめ)
■監修者:ふくふくろう(法人贈答実務/総務15年以上)
- 法人贈答手配:15年以上
- 累計対応:500件以上
- 月3〜5件の手配を継続(BtoB企業で開業・移転・就任祝いを担当)
本記事は、推測や一般論ではなく、現場で運用されている判断基準に基づき作成しています。
冬のコチョウラン管理で、いちばん多い悩みはこれです
- 水やりの頻度が分からない
- 暖房の部屋で大丈夫か不安
- 花は咲いているのに弱っていく
実は、冬の管理は「特別なテクニック」より、考え方を一つ変えるだけで失敗が激減します。
冬のコチョウラン管理でいちばん多い悩みは、実は「水やり」ではなく、判断の軸がブレることです。
月や回数で決めると、暖房・窓際・夜間の冷え方の違いで、同じ12月でも結果が変わります。このあと本文で、最低温度ごとの管理(18℃/15℃/10℃/7℃以下)を“そのまま実行できる手順”で整理します。
カレンダーで水やり回数を決めるのではなく、夜にいちばん冷える時間の温度と、植え込み材の乾き具合を基準に管理します。この考え方に変えるだけで、根腐れ・低温障害・花落ちの多くを防げます。
冬は、花が咲いていても株の成長はほぼ止まります。つまり「育てる季節」ではなく「守る季節」です。
この記事では、次の事項について「初心者でもそのまま実行できる手順」で整理しています。
- 自宅の環境がどの温度帯に当てはまるか
- その温度帯での正しい水やり
- やってはいけない管理
まず最初に確認してほしいのは、ただ一つ。
「夜、いちばん冷えたときに、置き場所は何℃になるか」
これが分かれば、あなたのコチョウランに今いちばん必要な冬管理が明確になります。
参考文献
『NHK趣味の園芸 コチョウラン』
著者:富山昌克/出版社:NHK出版
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なぜ冬はコチョウランが枯れやすいのか

冬は、コチョウランを枯らしてしまう人が最も多い季節です。
それは「寒いから」だけが理由ではありません。
多くの失敗は、冬の株の状態を誤解してしまうことから始まります。
冬は「花が咲いていても生育は止まっている」
冬のコチョウランは、見た目には美しく花が咲いていることが多いため、「元気そう」「まだ成長している」と思われがちです。
しかし実際には、このような状態です。
- 新しい根はほとんど伸びない
- 葉の成長もほぼ止まる
- 株は休眠に近い状態
| 失敗要因 | 冬に起きやすい理由 | この記事の結論 |
|---|---|---|
| 水の与えすぎ | 吸水が遅く、根が長く湿る | 回数ではなく「乾き+待ち」で判断する |
| 低温への無自覚 | 窓際・床付近・夜間で想像以上に冷える | 「最低温度」を把握して対策する |
| 日照不足 | 日照時間・光量が落ちる | 光を確保しつつ、冷気と直風を避ける |
つまり冬は、花を咲かせながら体力をほとんど回復できない時期です。
この状態で、こちらをすると株の内部にダメージが蓄積し、春を迎える前に調子を崩してしまいます。
- 夏と同じ感覚で水を与える
- 肥料を与える
- 低温にさらす
冬の失敗原因トップ3
冬に多い失敗は、ほぼ次の3つに集約されます。
| 見た目 | 株の中で起きていること | 管理の考え方 |
|---|---|---|
| 花が咲いていて元気そう | 新根・新葉の動きはほぼ止まることが多い | 「育てる」より「守る」に切り替える |
| 変化が少なくて安心する | 回復より消耗が先行しやすい | 水・肥料・低温のリスクを減らす |
| 咲いている=成長中と思う | 花を維持しても体力回復は進みにくい | 触りすぎず環境を安定させる |
① 水の与えすぎ
冬は水の吸収が極端に遅くなります。
そのため、少しの水でも 根が長時間湿った状態になりやすく、根腐れや病気の原因になります。
② 低温への無自覚
「室内だから大丈夫」と思っていても、この場合は想像以上に温度が下がります。
- 夜の窓際
- 床付近
- 暖房を切ったあとの部屋
最低温度を把握しないまま管理すると、知らないうちに株が弱っていきます。
③ 日照不足
冬は日照時間が短く、光量も夏に比べて大きく落ちます。
暗い場所に置き続けると、こういった影響が出やすくなります。
- 花が早く終わる
- 葉が弱る
- 株の回復が遅れる
冬管理の基本姿勢
冬の管理で最も大切なのは、「守る管理」に切り替えることです。
- 成長させようとしない
- 無理に手を加えない
- 環境を安定させる
この意識を持つだけで、冬越しの失敗は大きく減らせます。
冬に「葉がしわしわ」でも水を増やさない判断
冬のコチョウランでよくある悩みが、「葉がしわしわ=水不足では?」という判断です。
しかし冬の場合、葉のしわは水不足ではなく、低温や根の働き低下が原因で起きることも多く、ここで水を増やすと逆効果になるケースがあります。
- 夜間の冷え込みで根が水を吸えていない
- 乾いていないのに水を足してしまうことで根腐れが進行
- 暖房による乾燥ストレスが葉に出ている
冬はまず「鉢の中が本当に乾いているか」と最低温度を確認し、しわ=即水やりと判断しないことが重要です。
冬越しは「月」ではなく「最低温度」で考える

冬越しの考え方で、必ず押さえておいてほしいポイントがあります。
それは、冬の管理は「何月か」ではなく「最低温度」で判断するということです。
なぜ温度基準が重要なのか
同じ12月でも、この違いで最低温度が大きく異なります。
- 暖房を使うリビング
- 暖房のない玄関付近
- 夜間に冷え込む部屋
月だけで判断すると、このようなズレが起きやすくなります。
- 本当は危険なのに対策しない
- 逆に必要以上に心配する
| 判断の軸 | 起きやすいズレ | 記事の推奨 |
|---|---|---|
| ○月だから冬管理 | 部屋が暖かいのに過剰に控える | 「最低温度」で温度帯を決める |
| ○月だからまだ大丈夫 | 窓際・夜間で冷えているのに気づかない | 夜いちばん冷える時間の温度を測る |
| 地域の気温だけを見る | 室内の冷え方・置き場所差を見落とす | 置き場所ごとに判断する |
そこで冬越しでは、夜の最低温度が何℃まで下がるか を基準に考えます。
< 最低温度の測り方 >
温湿度計がない人:スマホの室温計アプリは誤差が大きい→1,000〜2,000円台のデジタル温湿度計を置くのが最短
設置場所:鉢の高さ・置き場所の近く(床や窓際の誤差が出る)
冬越しの4つの温度帯
コチョウランの冬越しは、大きく次の4つの温度帯に分けて考えると整理しやすくなります。
① 18℃以上を保てる場合
- 生育をある程度維持できる
- 管理は比較的安定
- 理想的だが一般家庭では少数派
② 15℃前後を保てる場合
- 一般家庭で最も多い
- 生育はほぼ止まる
- 適切な管理で問題なく越冬可能
③ 10℃前後まで下がる場合
- 株は「耐える」状態
- 水やりと保温が重要
- 管理の難易度が上がる
④ 7℃以下になる可能性がある場合
- リスクが高い
- 一時的な避難・保温対策が必要
- 放置は危険
< 目的別の考え方 >
・「花を長く見たい(観賞)」 → 温度優先+乾き優先(ただし水は増やさない)
・「株を弱らせたくない(春につなぐ)」 → 水を減らす・冷やさない・触らない
| 最低温度の目安 | 株の状態 | 管理の基本方針 |
|---|---|---|
| 18℃以上 | 緩やかに動くことがある | 光確保+水は冬仕様/肥料は条件付き |
| 15℃前後 | 生育はほぼ止まりやすい | 維持前提/乾いてから待つ/肥料なし |
| 10℃前後 | 耐える状態になりやすい | 保温重視/水は極小/肥料は避ける |
| 7℃以下 | ダメージリスクが高い | 短期でも守る対策/水は原則ストップ |
このあと、それぞれの温度帯ごとに、こちらを詳しく解説していきます。
- 置き場所
- 水やり
- 注意点
- やってはいけないこと
まずやるべきこと
本文に入る前に、まず確認してほしいのは次の一点です。
「夜、いちばん冷えたときに、置き場所は何℃になるか」
これがわかれば、自分がどの温度帯に当てはまるかがはっきりし、無駄な不安や過剰な対策を避けることができます。
【18℃以上】で冬越しできる場合

生育を維持しながら管理できる理想的な環境
夜の最低温度を 18℃以上 で保てる環境は、コチョウランにとって 非常に安定した冬越し条件 です。
一般家庭では多くありませんが、こちらの場合は条件を満たせることがあります。
- 暖房を使うリビング
- 24時間空調の室内
- 温度管理された部屋
この温度帯での株の状態
18℃以上を保てている場合、コチョウランの株は、この状態になります。
- 完全な休眠には入らない
- 根や葉の動きが緩やかに続く
- 花も比較的長く楽しめる
| 項目 | できること(目安) | 注意点 |
|---|---|---|
| 水やり | 乾いてから与える | 春夏より間隔は長くなりやすい |
| 置き場所 | 光を優先しつつ温度を維持 | 暖房の直風・窓の冷気を避ける |
| 肥料 | 条件がそろえば検討 | 新根・新葉が動く場合に限る |
ただし、春や夏と同じ管理ができるわけではありません。
あくまで「冬の中では動いている」という程度であり、無理に成長させる管理は不要です。
置き場所の考え方
この温度帯では、光をしっかり確保すること が重要になります。
- レースカーテン越しの明るい窓辺
- 日中はできるだけ光が入る場所
- 夜間も18℃を下回らない位置
上記が理想です。
ただし、注意点もあります。
- 暖房の風が直接当たらないようにする
- 窓ガラスの冷気が直接伝わらないようにする
温度が保てていても、乾燥や急激な温度変化 は株に負担をかけます。
水やりの頻度と注意点
18℃以上を保てている場合でも、水やりは冬仕様 で考えます。
- 植え込み材が乾いてから与える
- 春・夏より間隔は長め
- 葉や花に水をかけない
目安としては、このように環境に合わせた調整 が必要です。
- 冬でも乾きやすい環境 → やや早め
- 湿度が高く乾きにくい環境 → しっかり待つ
「温度が高い=水を多く与えていい」ではない点に注意してください。
肥料は与えるべきか?
この温度帯では、条件がそろえば肥料を与えることも可能 です。
ただし、以下のすべてを満たす場合に限ります。
- 新しい根や葉の動きが確認できる
- 株が弱っていない
- 花が主目的ではなく、株を維持したい場合
その場合でも、このあたりにとどめます。
- 薄めた液体肥料を
- 月1回程度
少しでも迷いがある場合は、与えない方が安全 です。
肥料の考え方については、▶ 【コチョウランの水やりと肥料の完全解説】で詳しく説明しています。
この温度帯でよくある失敗
18℃以上を保てる環境でも、次のような失敗が起こることがあります。
- 温度に安心して水を与えすぎる
- 暖房による乾燥を見落とす
- 明るさが足りない
「暖かいから大丈夫」と油断せず、冬であることを忘れない管理 が大切です。
【18℃以上】管理のまとめ
この温度帯での冬越しのポイントは、こちらの「安定重視の管理」 です。
- 光をしっかり確保する
- 水やりは冬基準で控える
- 肥料は無理に与えない
- 環境を安定させる
次の章では、最も多くの家庭が当てはまる【15℃前後】で冬越しする場合 の管理方法を解説します。
【15℃前後】で冬越しする場合

一般家庭でもっとも多い管理パターン
夜の最低温度が 15℃前後 になる環境は、一般家庭で最も多い冬越し条件です。
- 暖房は使うが、夜は切る
- 窓際は冷える
- 部屋全体はそこまで暖かくない
このような環境でも、正しい管理をすれば問題なく冬越しできます。
この温度帯での株の状態
15℃前後では、コチョウランの株は次のような状態になります。
- 生育はほぼ止まる
- 新しい根や葉はほとんど出ない
- 花は咲いていても、体力回復はできない
つまりこの温度帯では、「育てる」のではなく「維持する」管理 が基本になります。
置き場所の考え方(昼と夜で分けて考える)
この温度帯では、昼と夜で置き場所を分けて考える ことが重要です。
日中の置き場所
- レースカーテン越しの明るい場所
- 日差しが入る時間帯を活かす
- 窓ガラスに密着させない
夜の置き場所
- 冷え込みすぎない部屋の中央寄り
- 窓際や床付近は避ける
- 暖房の風が直接当たらない場所
「日中は光」「夜は温度」この切り替えだけでも、株への負担は大きく減ります。
冬の水やり頻度の考え方(15℃前後)
15℃前後の管理で、最も失敗が多いのが水やり です。
| 判断ステップ | 見るポイント | 次の行動 |
|---|---|---|
| ① 乾いたか確認 | 植え込み材・鉢の軽さ | 乾いていなければ待つ |
| ② 乾いてから待つ | 冬は吸水が遅い | 数日~状況により追加で待つ |
| ③ 与える時間 | 午前~日中の暖かい時間 | 根元に静かに与える |
この温度帯では、この状況のため「乾いたと思っても、もう少し待つ」という意識が必要になります。
- 水の吸収がかなり遅い
- 乾くまでに時間がかかる
目安としては、この流れです。
- 植え込み材が完全に乾く
- そこから数日待つ
- 暖かい時間帯に与える
回数の目安はあくまで参考ですが、多くの場合2〜3週間に1回程度 になることが多いです。
※ ただし、環境によって大きく変わるため、必ず「乾き具合」を優先してください。
詳しい判断基準は、▶ 【コチョウランの水やりと肥料の完全解説】で解説しています。
この温度帯でやってはいけないこと
15℃前後でやってしまいがちな失敗があります。
- 冬でも定期的に水を与える
- 肥料を与える
- 暗い場所に置きっぱなしにする
特に、肥料は完全に不要 です。
株が吸収できない状態で肥料を与えると、根を傷める原因になります。
よくある不安と考え方
この温度帯では、このように感じることがあります。
- 葉が少ししなびたように見える
- 成長が止まって不安になる
しかし、これは 異常ではなく、冬の通常の反応 です。
- 葉が急激に黄色くなる
- 柔らかく腐る
- 異臭がする
こういった症状がなければ、過剰に手を加える必要はありません。
環境の把握が重要
この温度帯では、「まず自分の環境を把握する」ことが重要です。
- 室温がどれくらいか
- 夜にどこまで下がるか
こちらを確認するために、温湿度計 を使うのは有効です。
※冬の失敗原因の多くが「夜の冷え込みの見落とし」なので、まずは温度の見える化が最優先です。
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【15℃前後】管理のまとめ
この温度帯での冬越しは、 「静かな維持管理」 が基本です。
- 生育は止まる前提で考える
- 水やりはしっかり控える
- 光と温度のバランスを取る
- 肥料は与えない
次の章では、管理難易度が一段上がる【10℃前後】で冬越しする場合 を解説します。
【10℃前後】で冬越しする場合

「育てる」ではなく「耐えさせる」管理
夜の最低温度が 10℃前後 まで下がる環境では、コチョウランは 生育を完全に止め、「耐える状態」 に入ります。
この温度帯では、こちらは目指しません。
- 花を長く楽しむ
- 葉や根を増やす
目標はただ一つ。「枯らさずに春まで持たせること」 です。
この温度帯での株の状態
10℃前後になると、株は次のような反応を示します。
- 新しい根・葉はほぼ出ない
- 水の吸収は極端に遅い
- ストレスに弱くなる
見た目に大きな変化がなくても、内部ではギリギリの状態 で冬を越しています。
そのため、ちょっとした管理ミスが大きなダメージにつながりやすくなります。
置き場所と保温の考え方
この温度帯では、「置き場所=保温対策」 と考えます。
基本の置き場所
- 夜間でも10℃を下回りにくい場所
- 床から少し高い位置
- 冷気が直接当たらない場所
保温の考え方
- 周囲を囲って冷気を遮る
- 風を避ける
- 急激な温度変化を防ぐ
具体的には、衣装ケースや簡易温室などで 「小さな空間」を作る と、温度が安定しやすくなります。
- フレームケース
- 衣装ケース
- 簡易温室
ここでは、暖めるより「冷やさない」意識 が重要です。
冬の水やりは「ほぼしない」が基本
10℃前後の管理では、水やりは最小限 にします。
- 植え込み材が完全に乾く
- そこからさらに数日〜1週間待つ
- 暖かい日の午前中に少量与える
このくらい慎重でちょうど良いです。
多くの場合、こちらになることも珍しくありません。
- 1か月に1回
- それ以下
「乾かしすぎでは?」と不安になるかもしれませんが、この温度帯では 水を与えすぎる方が圧倒的に危険 です。
絶対にやってはいけないこと
10℃前後の管理で、これだけは避けてほしいこと があります。
- 肥料を与える
- 葉や根に頻繁に触る
- 濡れたまま冷やす
特に肥料は、致命的なダメージ につながることがあります。
また、水やり後に気温が下がると、根が冷えて傷みやすくなります。
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【10℃前後】管理のまとめ
この温度帯での冬越しは、
- 成長は完全に止まる前提
- 水やりは極限まで控える
- 保温して冷気を遮る
- 余計な作業はしない
この温度帯での冬越しは、 「耐える管理」 が基本です。
次の章では、最もリスクが高い【7℃以下】になる場合の緊急対策 を解説します。
【7℃以下】になる場合の緊急対策

放置は危険。短期間でも「守る対策」が必要
夜の最低温度が 7℃以下 になる可能性がある場合、コチョウランを そのまま置いておくのは危険 です。
- コチョウランの耐寒限界に近い
- 回復が難しいダメージを受けやすい
- 短時間でも障害が出ることがある
この温度帯は、明確なリスクゾーン です。
この温度帯で起こりやすいリスク
7℃以下になると、次のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 根が冷えて吸水できなくなる
- 葉の細胞が傷み、後から変色する
- 病気(特にカビ・細菌病)が出やすくなる
怖いのは、冷えた直後ではなく、数日〜数週間後に症状が出ること です。
「その日は大丈夫そうだった」と油断していると、春になってから一気に調子を崩すケースも少なくありません。
基本方針は「一時的に守る」
この温度帯での管理方針は明確です。
- 育てない
- 咲かせようとしない
- 一時的に寒さから守る
長期間この温度で管理する必要はありません。
寒い期間だけ乗り切る ことを目標にします。
手軽にできる保温対策
特別な設備がなくても、次のような方法で 冷えを大きく軽減 できます。
ケース・袋で囲う
- 透明な衣装ケース
- フレームケース
- 大きめのビニール袋
株全体を囲い、冷気を直接当てない ようにします。
※ 完全密閉はせず、日中は少し換気してください。
室内移動という選択
夜間だけでも、このような対応は非常に効果的です。
- より暖かい部屋へ移動する
- 廊下・玄関付近を避ける
「毎日は無理」という場合でも、寒波が来る数日間だけ 対策するだけで、ダメージを大きく減らせます。
加温が必要なケース
次のような場合は、軽い加温を検討する価値 があります。
- 室内でも7℃以下になる
- 長期間低温が続く
- 大切な株・贈答株を守りたい
この場合は、こちらをケース内で使うと、効率よく温度を保てます。
- プレートヒーター
- 小型ヒーター
- 補助的なLED照明
※ 直接当てる加温は避け、空間全体をほんのり暖める イメージが安全です。
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水やりは「ほぼ止める」
7℃以下の管理では、水やりは原則ストップ です。
- 植え込み材が完全に乾いても
- すぐには与えない
どうしても必要な場合でも、こちらにとどめます。
- 暖かい日
- 午前中
- ごく少量
この温度帯では、水は回復の助けではなく、リスク になります。
【7℃以下】管理のまとめ
- 放置しない
- 短期間でも対策する
- 囲って冷気を遮る
- 水を与えない
この温度帯では、「緊急避難的な管理」 が必要です。
次の章では、温度帯に関係なく重要な冬の水やり判断をもう一段具体化 します。
法人実務(法人贈答累計500件以上/総務15年以上)の立場で「胡蝶蘭の育て方」の参考にしている動画です。贈答用にクマサキ洋ラン農園様を利用させてもらうことが多いです。
冬の水やりで失敗しないための判断基準

「いつ・どれくらい・何を見て」判断するか
冬のトラブルの多くは、水やりの判断ミス から始まります。
ここでは、温度帯に関係なく使える共通の判断基準 を整理します。
冬は「乾いてから、さらに待つ」
冬の水やりの基本は、とてもシンプルです。
- 植え込み材が完全に乾く
- そこから さらに数日待つ
- 暖かい時間帯に与える
「乾いたらすぐ与える」は、春〜夏の考え方です。
冬は、乾いてからがスタート だと考えてください。
水やりの「量」より「タイミング」
| タイミング | 避けたい理由 | 代わりに選ぶ |
|---|---|---|
| 夕方~夜 | 濡れたまま冷えて根が傷みやすい | 午前~日中 |
| 寒波前・冷え込み直前 | 冷却ダメージのリスクが高まる | 気温が安定した日 |
| 冷たい水 | 根が一気に冷える | 室温に近い水 |
冬に重要なのは、水の量ではなく タイミング です。
- 夜に与えない
- 冷え込む前に与えない
- 暖房が効いている時間帯に与える
特に避けたいのが、夕方〜夜の水やり です。
水を含んだ状態で夜間に冷えると、根がダメージを受けやすくなります。
水温を必ず意識する
冬場に多い見落としが、水の冷たさ です。
冷たい水をそのまま与えると、こういった影響が出ます。
- 根が一気に冷える
- 吸水できない
- 回復が遅れる
冬は、こちらを使うと株への負担をかなり減らせます。
- 室温に近い水
- 冷たすぎない水
葉や花に水をかけない理由
冬は、葉や花に水が残りやすい季節です。
- 蒸発が遅い
- 乾きにくい
- 病気につながりやすい
根元だけに静かに与える ことを意識してください。
冬の水やり判断まとめ
冬の水やりで迷ったら、次の3つを思い出してください。
- 乾いてから、さらに待つ
- 暖かい時間帯に与える
- 冷たい水は使わない
これだけでも、失敗の大半は防げます。
冬に起こりやすいトラブル

早めに気づけば対処できる
冬は、症状がゆっくり進むため、気づいたときには進行しているというケースが少なくありません。
代表的なトラブルを整理します。
低温障害のサイン
- 葉が水っぽくなる
- 数日後に黒ずんでくる
- 触ると張りがない
これらは、低温ダメージの可能性 があります。
すぐに、こちらの対策が必要です。
- 暖かい場所へ移す
- 乾いた状態を保つ
灰色かび病
冬に特に出やすい病気です。
- 花弁に灰色のカビ
- 湿度が高い環境で発生
花に出た場合は、早めに花を取り除く ことで、株への影響を最小限にできます。
冬の害虫
冬でも、こちらが発生することがあります。
- コナカイガラムシ
- ハダニ
暖房の効いた室内では、一年中注意が必要です。
詳しい見分け方・対処法は、▶ 【コチョウランの病害虫・トラブル完全ガイド】を参照してください。
暖房の風・乾燥で失敗する冬の置き場所
冬の管理で意外と多い失敗が、暖房の使い方によるダメージです。
室温が適正でも、次のような環境ではコチョウランが弱りやすくなります。
- エアコンやヒーターの直風が当たる
- 暖房で急激に乾燥する
- 昼は暖かいが夜だけ窓際で冷える
対策の基本は、加湿よりも「風を避けること」です。
- 暖房の風下から外す
- 窓際は夜だけ室内側へ移動
- 床置きは冷気を拾いやすいので避ける
冬は「温度 × 風 × 夜間の冷え」をセットで考えることで、失敗を大きく減らせます。
冬にギフトでコチョウランをもらった場合

「花」と「株」を分けて考える
冬は、コチョウランがギフトとして贈られる最も多い季節です。
この場合は、2つの目的を分けて考える 必要があります。
- 今咲いている花を楽しむ
- 株を弱らせず春につなげる
冬ギフトが難しい理由
- 輸送時に冷える
- 管理環境が変わる
- 説明不足のまま渡される
そのため、受け取った直後の管理がとても重要です。
ギフト株で意識したいポイント
- まずは温度を安定させる
- すぐに植え替えない
- 水やりは控えめに
花を長く楽しみたい気持ちは自然ですが、株を犠牲にしない管理 が大切です。
冬の胡蝶蘭管理でよくある質問(FAQ)
- Q冬に花が咲いているのに弱るのはなぜ?
- A
冬に花が咲いていても、胡蝶蘭自体は生育が鈍る季節です。
低温・日照不足・根の吸水力低下が重なると、花は保っていても株が消耗し、葉の張り低下や根傷みが進みやすくなります。
「咲いている=元気」と判断せず、冬は無理に成長させない管理が重要です。
- Q夜だけ冷える家は、昼は窓辺・夜は移動でOK?
- A
基本的にはOKですが、移動は最小限が理想です。
昼は明るい窓辺、夜は室内側へ移動することで低温は避けられますが、毎日の大きな移動はストレスになります。
可能であれば、夜も10℃以上を保てる定位置を一つ決める方が安定します。
- Q乾いているか分からない時、何を見ればいい?
- A
冬は見た目だけで判断しないことが大切です。
- 鉢の重さ:軽くなっているか
- 植え込み材:表面だけでなく内部も乾いているか
- 根の色:緑(湿)→銀白(乾)に変わっているか
迷った場合は、「まだ与えない」判断が安全です。
- Q冬に霧吹きはしていい?
- A
冬の霧吹きは基本的にリスク寄りです。
気温が低い状態で葉や根が濡れると、乾ききらず病気や傷みの原因になります。
どうしても行う場合は、日中・室温が高い時間帯のみ/葉の表面に軽くに限定してください。
- Q寒波の数日だけの“緊急避難”は何を優先する?
- A
短期間の寒波では、次の優先順位で考えます。
- ① 温度(最低10℃以上)
- ② 乾燥回避(直風を避ける)
- ③ 光(多少不足してもOK)
数日間であれば、暗くても暖かい場所を優先する方がダメージは少なくなります。
冬越し管理まとめ

春につなげるために大切なこと
冬越しの管理で大切なのは、完璧に育てることではありません。
- 最低温度を把握する
- 水を控える
- 冷やさない
- 余計なことをしない
この4つを守るだけで、冬越しの成功率は大きく上がります。
冬を無事に越せば、春にはまた 回復と成長の季節 がやってきます。
春の管理については、こちらの記事でお伝えします。
ここからは「胡蝶蘭を贈りたい方向け」の記事です。
法人ギフトは“先方で枯らさない設計”までが手配担当の仕事です。この記事の「育て方」の要点を贈り先に共有し、胡蝶蘭を大切に育ててもらうのが理想です。
< 胡蝶蘭を贈る際に気を付けること >
< 相場を知れば失敗しない >
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